ちひろ美術館コレクション
「ちひろと世界の絵本画家たち」が開催されます。

いわさきちひろ 『あかいくつ』より 1968年 水彩・鉛筆
概要
日本を代表する絵本画家、いわさきちひろは独自の絵本表現を追求し、生涯で約40冊の絵本を発表しました。その作品は親から子へ、子から孫へと読み継がれ多くの人を魅了しています。「ちひろと世界の絵本画家たち」では、そのさまざまな絵本の仕事を原画約25点とアトリエの復元などで紹介、さらに「ちひろ美術館」のコレクションから、25カ国52名の画家による絵本原画を加え、全体で約130点が展示されます。
作品紹介
いわさきちひろの作品
小学館児童文化賞、産経児童出版文化賞、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞などを受賞。独特の水彩技法や巧みなデッサンによって、絵本や絵雑誌、教科書、育児書、広告など、9,400点を超える作品を残している。いつの時代も変わることのない「こども」の姿を描きだした作品は、いまなお多くの人を魅了しています。
《ぶどうを持つ少女》1973年 水彩・鉛筆

ちひろが幼いころから好きだった紫色を用い、たっぷりと水を使った水彩技法で紫のグラデーションを展開。輪郭線を描かず絵具のにじみだけで形を表わす「没骨法」や、色が乾かないうちに濃い色をのせていく「たらしこみ法」など、驚くほどさまざまな技法を駆使して描かれている。
『りゅうのめのなみだ』より
1965年 水彩・パステル・鉛筆

こどもたちから恐れられていた竜はあるひとりの男の子の優しさに触れ、嬉しくて涙を流す。その涙はやがて川となり、竜は男の子を背中に乗せて、涙の川を船となって渡る。
ちひろが初めて手がけた物語絵本。
『ぽちのきたうみ』より
1973年 水彩

夏休みに海にやってきた「ちいちゃん」。でも、家に置いてきた愛犬ぽちのことが気になりさびしくて、せっかくの海も楽しめない。
寂しさ、喜び、開放感など、少女の心の動きを描いた最晩年の絵本。
日本、アジアの絵本画家の作品
いわさきちひろ以外の日本の作家を16人まとめて紹介していることも見所のひとつ。茂田井武、赤羽末吉、長新太、瀬川康男といった戦後の日本を代表する画家から今注目の新進作家まで幅広く、また、アジアでは韓国・中国・モンゴル・ベトナム・スリランカなどから今注目の作家が選ばれています。その中から数点をここでご紹介。
長 新太 『キャベツくん』より
1968年 ガッシュ・鉛筆

長新太が自身で”心地よい"と語る原色と柔らかな線で描かれた、まさに自然体の作品。
出久根 育 『マーシャと白い鳥』より
2005年 石膏パネルにテンペラ・油彩

中世ヨーロッパを思わせる作風で、ロシア民話を展開する美しい絵本。
タ・ヒー・ロン 『姫君と望遠鏡』より
2008年 水彩

透明水彩の光あふれる色彩で、ベトナムの伝統的な衣装や文化を描いた作品。
荒井 良二 『ユックリとジョジョニ』より
1991年 アクリル

荒井良二独特の明るい色彩をふんだんに使った、音と光にあふれた作品。
キム・ドンソン 『かあさんまだかな』より
2004年 CG 出力

東洋画の技法により線と余白を活かす特徴ある手法で、韓国的雰囲気を描き出している。
ボロルマー・バーサンスレン 『チェスをする少年』より
2004年 ガッシュ・インク・鉛筆

草原の草や羊の毛、少年や王様の髪の毛一本一本から民族衣装まで、まるで細密画のように丁寧に描きこまれた作品。
欧米・アフリカ・ラテンアメリカの絵本画家の作品
伝統ある絵本文化をもつイギリスはもちろん、フランス・ドイツ・チェコ・ポーランドといったヨーロッパの国々からファン待望の実力作家たちの作品が展示されます。また、アメリカのエリック・カールやロシアのエフゲーニー・ラチョフなど人気の高い作家に加え、中米からキューバ・コスタリカ、南米からヴェネズエラ・アルゼンチンなどの作家も参加します。その中から数点をここでご紹介。
ヘレン・オクセンバリー 『きょうはみんなでクマがりだ』習作
1989年 水彩・鉛筆

家族5人と犬一匹の結束をユーモアに描いた絵本。少ない線と透明水彩による淡い色彩で家族の表情を的確に描き出したのが特徴的。
ユゼフ・ヴィルコン 『金のひかりがくれたもの』より
1997年 色紙にアクリル・インク・パステル

アクリル、インク、パステルなどさまざまな画材を駆使して描かれた、金色の輝きにゆらめく豪華な作品。
エフゲーニー・ラチョフ ロシア民話《マーシャとくま》
1965年 水彩・クレヨン

力強いデッサンに、水彩とガッシュ、更にクレヨンを使うことで、重厚な色彩の作品となっている。
エリック・カール 《くじゃく》
1991年 アクリル・コラージュ

自らが鮮やかに着彩した薄紙をコラージュしてつくられている。「色彩の魔術師」と呼ばれるエリック・カールの特徴をよく表した作品のひとつ。
ピエト・フロブラー 『動物の謝肉祭』より
1998年 エッチング・水彩

音楽や楽器によってあらわされたさまざまな動物たちと人間の姿が、動きのある線と軽やかな色彩で楽しげに描かれている。
ウェン・シュウ 『ナディとシャオラン』より
2008年 水彩・切り絵

パナマと中国のさまざまな文化が物語として紹介されている絵本。パナマの伝統手芸モラの技法と中国が起源の切り絵を1枚の原画の中で展開させた色鮮やかな作品。
いわさきちひろをまとめて紹介する部分と、世界の優れた絵本画家たちの作品を紹介する部分の2部構成で、バリエーション豊かな内容になっており、 いわさきちひろの画業の多彩さ、世界各国の文化や特徴を感じられる展覧会です。作品解説やワークショップも実施されているので、絵本の文化に触れるチャンスです。
 
「ちひろと世界の絵本画家たち」
期間:2012年7月7日(土)~8月26日(日)
会場:損保ジャパン東郷青児美術館(損保ジャパン本社ビル 42F)

[公式ホームページ] 「ちひろと世界の絵本画家たち」

 
「ちひろと世界の絵本画家たち」

[期間]
2012年7月7日(土)~8月26日(日)

[会場]
損保ジャパン東郷青児美術館(損保ジャパン本社ビル 42F)

[開館時間]
10:00〜18:00
※月曜日休館 7/16(月・祝)は開館
※入館は閉館の30分前まで

[料金]
一般1,000円、大学・高校生600円、シルバー〈65歳以上〉800円、中学生以下無料



[公式ホームページ]
「ちひろと世界の絵本画家たち」